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性障害治療希望の方へ

性障害専門医療センターでは、性嗜好障害(パラフィリア)、性依存症(セックス依存症)、小児性愛(ペドフィリア)、性的倒錯、児童ポルノ、窃視症(のぞき)、盗撮、露出、痴漢、強制わいせつ、強姦、ストーカー、DVなど、性暴力・性加害行為者に対するカウンセリング(CBT:認知行動療法プログラム)、薬物療法(ホルモン/抗アンドロゲン療法、SSRIなど)を実施しています。

認知行動療法(CBT)は、もともとは、うつや不安の治療として開発されました。
現在では、パーソナリティ障害やその他の慢性疾患などにおいても効果が実証されており、適応範囲は拡大の一途をたどっています。
たとえば、欧米諸国を中心に、性犯罪者や発達障害、および一般の人たちへのストレスマネジメントなどに対するCBTの取り組みが実証研究と共に盛んに行われています。

また、当センターにおいては、認知行動療法と並行して薬物療法(性ホルモン療法、SSRI)が可能です。

必須ではなく、精神科医との面談の後に必要性があった場合、本人の選択・意思により実施可能です。強制することはありません。
薬物療法のみを行うことは出来ず、必ず認知行動療法との併用になります。認知行動療法を中止した際には、薬物療法も中止となります。

| 治療法について

(1)認知行動療法

認知行動療法とは?
(Cognitive Behavioral Therapy, CBT)

認知行動療法 (以後 CBT)は、セラピストと患者が共同で行なう比較的短期集中型の心理療法です。
患者の「物事の捉え方や思考」と「行動」に焦点を当て、徐々に患者自身や抱える問題を理解していき、その問題への対処法や解決法を一緒に探っていきます。

患者の「こういう問題を解決できるようになりたい」という目標に合ったメニューを作成し、その目標に向けて適切な認知や行動の仕方などの練習を行います。
CBTの最終目的は、患者が療法終了後も自分で適切な行動や認知を実践し継続することにあります。

具体的な取組みと期待できる成果

CBTで取り組む課題や方法は、たくさんあります。

例1: 性的な想像や衝動の「きっかけ」になる出来事や状態を、自分で見つけられるようにする練習

性的な想像や衝動のきっかけは人それぞれです。
例えば、「忙しくて、リラックス出来る時間がずっと持てない」「1人の時間を持て余して非常に退屈」「いじめやパワハラを受けた」「ギャンブルで大儲けして、非常に気分が高揚している状態」等があるでしょう。

CBTでは、これらのきっかけや心の状態に対して、適切な問題解決方法を見つけたり、解決に必要なスキルを練習します。

例えば、Aさんは「上司や恋人に嫌なことを言われ続けて、自己主張が出来ずにモヤモヤした気持ちを抱えたり自信を失ったまま電車に乗り込み、わいせつ行為をする」というパターンが多そうだとします。
その場合、「僕の意見も聞いてもらえるかな」という一言を言ってみるコミュニケーション方法の練習や、電車に乗り込む前に楽しい予定を立てるプランニング練習をするなどします。

そのようにして、自分の問題に「振り回される(コントロールされる)」よりも、自分で自分の問題を「コントロール」していけるようになるのです。

問題にコントロールされている状態から自分が問題をコントロールできる状態になっていく

問題にコントロールされている状態から自分が問題をコントロールできる状態になっていく

例2 :自分の考え方の「クセ」を見つける

誰にでもいろんな「クセ」があります。
例えば、「退屈に感じるとついスマホをいじる」「いつも左肩にカバンを担ぐ」「いつも右側の歯で食べ物を噛む」といった行為も、その人が意識していないクセです。

なかなか気づかないものですが、人の考え方にもクセがあります。
例えばもし、「どうせ誰も僕の話を聞いてくれないから、黙っていた方がマシだ」と、ついつい色々な状況で思ってしまう「考え方のクセ」があったとすれば、「自分も発言したほうが、相手も喜んでくれるかもしれない」と考える、新しい良いクセを身に付けられるように練習します。

自分の問題のメカニズムを知り事故理解をする

性加害を繰り返す方たちに特有の、

「痴漢されると女性は悦ぶ」
「盗撮されても、相手が気づいていなければ犯罪ではないし、誰も傷つけていない」
「他の性犯罪(強姦等)に比べて、自分のしていることはひどくない・大した事ないから捕まらない」
「前に捕まったのは、運ややり方が悪かったからだ」
「嫌なら逃げられるはずだ」
「嫌がられたらやめる(から嫌がる人にはしていない、触っても嫌がられていない)」

といった考え方のクセも、少しずつ患者さん自身が気付いて変えていけるように手助けします。

例3 
自分の周りにいる人達の立場や気持ちを想像する練習を行なう
家族や友達との関わりかたを見直す
「被害を受ける」ということについても考える

例えば、
「自分が一方的にいじめられたり、いきなり殴りつけられたりした時はどんな気持ちだったか」
「誰にも助けてもらえなかった時はどうしていたか」
等を思い出しながら、自分が加害した人達(被害者の方々)はどんな思いをしていたのかを、具体的に考えます。

このような課題に取り組むうちに、自分が繰り返していた加害が、周囲に深刻な影響を与えているということが見えてきます。

その他のグループ課題や宿題の例

●加害行為をしようとする直前、どんな事を考えていたり、どんな気持ちになっているでしょうか?
→どういう場面で、こういった考えや気持ちを持った事があるでしょうか? できるだけ多く見つけてください。
→他のメンバーの意見と自分の意見と、どんな共通点があるでしょうか?

●加害の事で頭がいっぱいになっている時の自分は、普段の自分とどんなところが違っているでしょうか? 自分で区別できるようになりましょう。

●@ あなたの被害者のつもりになって、あなた自身に手紙を書いてください。
被害者自身の怒りや混乱などや、被害による影響について具体的に想像しながら、被害者の方が加害者(あなた自身)宛に書くであろう手紙を書いてください。

A @で書いた被害者の方からの自分宛の手紙に対する、返事の手紙を書いてください。
謝罪文やお詫び文だけで終わらないようにしてください。
全体的に、「きっとこうだ」「こうなるだろう」とガチガチに決めつけがちになるよりも、柔軟な考え方が出来るようになることをCBTでは目指します。
自分の考え方のクセに気付いた上で、「この場面をどう捉えたらいいのか」「どう捉えたら、人に対してきちんと振る舞えるか」を練習したり皆と話し合ったりする事で、再犯防止を目指します。

対処スキルを上げて問題の解消をはかる

対処スキルを上げて問題の解消をはかる

(2)薬物療法

薬物療法とは?

薬物療法は、性衝動が高い場合や、性についての考えに囚われている状態などに対して、対症療法的に行います。ホルモン異常に特に有効と考えられています。
抗アンドロゲン剤(MPA、CPA、LH-RH)や、SSRIといった薬を用います。

抗アンドロゲン剤(MPA、CPA、LH-RH)

テストステロンという男性ホルモンの生成を減少させ、性的興奮、性的空想、性的欲求不満などを減少させることを目的に用いられます。
欧米諸国においては、性犯罪者に抗アンドロゲン剤を用いた結果、ペニスの勃起や射精、精子の生成、性的空想が減少し、性的関心が減ったという事例報告が数多くなされています。
抗アンドロゲン剤を使用した性犯罪者群と、使用しなかった性犯罪者群の比較研究もあります。その中では、抗アンドロゲン剤を使用しなかった群ではでは3分の2が再犯をしていたのに対し、抗アンドロゲン剤を使用していた群では性犯罪の再犯が皆無であったことが示されています。

SSRI

抗うつ薬の一つです。うつ病の治療などに広く用いられています。SSRIの使用により、性倒錯的空想による自慰行為、衝動性、性倒錯的行動が減少することが確認されています。
また、性嗜好障害以外の精神症状、特に、犯罪の引き金になると考えられる不安や抑うつに対して改善の効果が得られることも大きな利点です。

薬物療法(性ホルモン療法、SSRI)はあくまでも対症療法であり、根本的な治療ではありません。必ず認知行動療法との併用となっているのはそのためです。
性的衝動が強かったりして日常生活に支障があったり、治療に集中出来なかったりする場合、薬物療法を用いて治療環境を整えます。その上でメインとなる認知行動療法によって偏った認知を修正し、適切な行動が取れるように治療を行っていきます。

効果について

薬物療法は飲んですぐに効果があるものではなく、飲み続けることによって徐々に効果が現れます。また、性欲の減少などの効果は永続的なものではなく、服薬を止めることによって徐々に元の状態に回復していきます。
副作用など心配な点がある場合には、精神科医との面談の際にお尋ねください。

| 治療に関するご注意

  • その1
    当センターはすべて自費診療です。詳しくはお問い合わせください。
  • その2
    精神科、心療内科に通院中の方は、受理面接の際に主治医の紹介状が必要となります。

| 治療の流れ

1.お申し込み
電話・メールでの申し込みをしていただきます。
(ここで重篤な状態にあるかたは、他機関を紹介することがあります)

2.検査実施
受理面接・心理検査・神経心理学的検査を施行します。(ここでは、治療を始めるまえに、数日間かけて幅広い検査と治療で扱う問題の整理をします。

3.面接、治療
受理面接・検査の結果をお知らせし、治療がスタートとなります。

4.効果測定
治療の効果を確認するために【プログラムの間】【終了した時点】【終了から半年後】に、ふたたび心理検査・神経心理学的検査をとります。(当センターでの検査結果は、全て書面にてフィードバックいたします。終了後のフィードバックは郵送となります。)

| 連絡先

お問い合わせフォーム、メール、もしくは電話でご連絡ください。
電話受付時間: 平日:10時〜17時 *土日祝は電話による受け付けはしておりません。

電話東京03-5326-3370電話大阪06-7668-8321電話福岡092-287-9599

| ご家族の皆様へ

家族支援セミナー

SOMECでは、法に触れるような性的好みを持っている方のご家族や配偶者のためのサポートグループやコンサルテーションを行っております。
そのようなご家族の悩みの例として、以下のようなものが挙げられます。

夫が痴漢行為をしているようだがどのように止めればよいのかわからない
息子は小さな子供に強い関心を持っているようで、何か大変な事が起こる前になんとかしたい
夫が私の知らないところで性的な事件を起こしてしまった。彼に今後どう対応すればいいのか途方にくれている

など、本人には問題意識が少ないようでもご家族にとっては大変に気がかりなものです。そのようなご家族のために、同様の状況にある家族が互いにサポートし合い、専門家から適切な情報を得る場を提供いたします。

また、性犯罪を起こしてしまった方にとって、ご家族からの支援は再犯防止につながるとされています。 そのためにも、ご家族の方が効果的な支援方法を学ぶことは重要です。

ミーティング内容

月1度のミーティングで、6ヶ月の期間を設けております。何月からでも開始できるデザインになっております。
以下がミーティングでの話し合いや学習のトピックの概要になります。(トピックの詳細については変更されることがございます。あらかじめご了承ください。)

  • 問題を抱える本人に対する家族の気持ちや反応など
    ・性的犯罪を起こす人たちの特徴
    ・事件を起こした場合の家族への影響
  • 本人に関わる感情的な出来事、ストレスに対する家族としてのコーピング(対処)
    ・家族や本人の強み、弱点、コーピング
    ・今後家族としてどのようにコーピングしていくか、家族の将来
  • 性犯罪について
    ・性犯罪のタイプ・常習性
    ・性犯罪を犯す人の特徴
    ・症状、治療、予後 など
  • 家族内のコミュニケーションや対応
    ・家族内でよく見られるコミュニケーションパターン
     〜効果的なコミュニケーション方法や他の対応方法
    ・家族としての今後の方向性
  • 犯罪行為(再発)防止モデル
    ・再発防止モデルに基づき、本人の犯罪行為に至りやすい状況を理解し、本人や家族が実行できる防止策を考える
  • 家族にとってのサポート
    ・家族や本人が直面した(している)問題 〜家族への支援の重要性
    ・適切な問題解決方法

SOMECでは問題となり得る性的関心を持っている方へ認知行動療法(CBT)を行っております。
「治療法について」をご覧ください。

注意: ご本人の性的興味の対象の方が家族内・親戚内にいる場合(例:本人の妹、子、姪、など)、アプローチ方法が異なりますので別途 ご相談ください。

電話東京03-5326-3370電話大阪06-7668-8321電話福岡092-287-9599