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性障害治療希望の方へPATIENT
性障害治療希望の方へ

【オンライン治療のご案内

現在、新型コロナウイルス感染症の影響拡大が懸念されております。
当センターでは、ご利用者様およびスタッフの安全や、感染拡大防止の観点から、Zoomを用いたオンラインでの対応や治療を拡充いたしております。
オンラインでの対応につきまして(新型コロナウィルス感染症に関するお知らせ)

性障害専門医療センターでは、DSM-5(国際的な診断基準)におけるパラフィリア障害群に該当するような性的問題行動(盗撮、痴漢、露出、強制わいせつ、覗き、強姦、児童ポルノ、家庭内でのわいせつ行為等)に対する再犯防止プログラムを実施しています。
再犯防止に向けて、臨床心理士や精神科医といった専門家がサポートいたします。
当センターはすべて自費診療となりますが、初回の面談は無料で行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

| 治療の流れ

1.お問い合わせ〜初回面談(約30分〜1時間)無料
お問い合わせフォーム、メール、お電話のいずれかでお問い合わせください
初回面談では、個別で心理士がご相談内容をお伺いし、当センターの治療の流れや費用等についてご説明いたします。

2.アセスメント(心理検査等)(11,000円〜24,200円(税込))およびフィードバック
事前に質問紙にもご回答いただき、個別で必要に応じた心理検査や生育歴等を伺う面談を心理士が行います。
後日、心理検査等の結果をフィードバックいたしますので、結果を踏まえて改めて治療を受けるかどうかご検討いただくことも可能です。

3.治療開始初回診察(約15分)
必要に応じて、精神科医が治療開始に際しての精神医学的な状態の把握、精神疾患の有無及び程度の確認等を行います。

4.グループ認知行動療法プログラム(月1回3時間/1クール12回)
平日:1回27,500円(税込)、土日:1回29,700円(税込)
心理士が実施する、メインとなる再犯防止プログラムです。
1ヶ月の間、ご自宅で取り組んでいただくホームワークもあります。
曜日と時間帯は毎月固定となります。土曜日・日曜日にも枠がございます(1回29,700円(税込))。
12回終了の前後で、再度質問紙にご回答いただき、担当の心理士と継続や終了について個別の面談を行います。
治療の流れ

| 主な治療法

1)認知行動療法

認知行動療法(以下CBT)では、クライエント(いわゆる相談者、患者)の「認知(物事の捉え方)や思考」と「行動」に焦点を当てていきます。
そして、徐々に抱えている問題を理解し、その問題への対処法や解決法をセラピスト(いわゆる治療者)と一緒に探っていく、比較的短期集中型の心理療法です。

自分の問題のメカニズムを知り事故理解をする

CBTでは、クライエントの思考や行動パターンなどを細かく分析し、特に性的問題行動に関連していると思われる強い感情や考え方、衝動的な行動の意味や妥当性を深く考え、対処法を身につけたり、徐々に行動や考え方を適切なものに修正していきます。
また、対人関係を上手く保つスキルや、自分の気持ちを落ち着かせるテクニックも学び、練習していきます。
CBTの最終目的は、治療終了後も、クライエントが自分で適切な行動や認知を実践し、継続することにあります。そのため、治療終了後も効果が継続する点が特徴です。

対処スキルを上げて問題の解消をはかる

対処スキルを上げて問題の解消をはかる

性的問題行動においては、性的欲求だけが原因ではありません。
人それぞれ様々な要因(女性への考え方や、「バレなければいい」といったような認知、支配欲や達成感、ストレスの解消等)が影響しており、具体的な対応策(カメラを持って1人で出かけない、満員電車を避ける等)を実施しながら、なぜ加害行為に及んでしまうのか、どのような要因が影響しているのか(親子や夫婦間の不和、強い孤独感等)といった要因を探っていきます。
それらに対する現実的な解決目標を立て、自分の問題に「振り回される(コントロールされる)」のではなく、自分で自分の問題を「コントロールしていける」ようになることが目指されます。

問題にコントロールされている状態から自分が問題をコントロールできる状態になっていく

問題にコントロールされている状態から自分が問題をコントロールできる状態になっていく

グループ形式による認知行動療法は、性犯罪を含めた犯罪行動の再犯防止に効果が認められており、海外の性犯罪者に対する研究では、認知行動療法を行っていない場合の再犯率は17.4%であったのに対し、認知行動療法の治療を受けた場合の再犯率は9.9%と、治療(再発防止モデル)による再犯率の有意な低下が示されています。
そのため、当センターにおいても、グループ形式の認知行動療法による再犯防止プログラムを実施しています。

2)薬物療法

薬物療法は、性衝動が高い場合や、性についての考えに囚われている状態などに対して、対症療法的に行います。
そのため、当センターにおいては、薬物療法のみの治療は行っておらず、並行して毎月の認知行動療法のグループへの参加が処方の条件となっております。
また、原則23歳以上が適用の対象となります。
性的衝動が強すぎる場合に、薬物療法を用いて気持ちを落ち着かせた上で、認知行動療法によって偏った認知を修正し、適切な行動が取れるように根本的な治療を行っていきます。

当センターにおいては、抗アンドロゲン剤といった薬を主に用います。
抗アンドロゲン剤は、テストステロンという男性ホルモンの生成を減少させ、性的興奮、性的空想、性的欲求不満などを減少させることを目的に用いられます。
海外の比較研究においては、抗アンドロゲン剤を使用しなかった性犯罪者群では3分の1が再犯をしていたのに対し、抗アンドロゲン剤を使用していた群では性犯罪の再犯が皆無であったことが示されています。

また、薬物療法は飲んですぐに効果があるものではなく、飲み続けることによって徐々に効果が現れます。
性欲の減少などの効果は永続的なものではなく、服薬を止めることによって徐々に元の状態に回復していきます。
薬物療法をご希望の場合、まずは精神科医の診察を受けていただく必要がございますので、副作用など心配な点がある場合には、精神科医との診察の際にお尋ねください。